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作業写真




倉庫から工房にピアノを移しました。
写真だと色見が分かりにくいですが、黒ではなくダークウォルナット色の木目外装です。
モデルはM型と言い、奥行170cmの物です。

※8月5日掲載
※下記の動画は修復前のものです。
ついでがあり、阿部先生に弾いて頂いた物ですが、鍵盤が上がらない、音が出ないなど不具合が多数ある中で、苦笑しながらの演奏でした。


演奏者:阿部悟  「平均律クラヴィア ハ長調」










大方の修理内容としては、全弦張替・アクション関係・ダンパー関係・鍵盤関係の消耗部品の交換作業と、響板塗り替え・フレーム塗装・外装全塗装と言った所です。







ダンパー関係フェルト類の貼替。
 





ダンパーアクションの間接部の周動点検をしまして、スムーズに動かない所はセンターピンを入替します。尚、このダンパーアクションはネジ留めではなく接着されている物です。
もし、この接着側の間接部分の動きが悪くなった場合は一度剥がさなければなりません。幸いこのピアノは問題なくスムーズに動く物でした。
 









鍵盤関係
このピアノの白鍵(合成樹脂)は一度貼替がしてある物でしたが、かなり雑な貼り方でとてもそのまま使用する気にはならない状態でした。まさかアメリカ人技術者が貼ったのか?素人なのか?と言う感じでした。しかし何と、今回はお客様自身で上質なワンピース像牙を入手され、部品持込の修理として貼替の手間賃だけいただく事で話がまとまりました。
元々の樹脂製の鍵盤を剥がし、新たに貼付けした像牙をバンドソーに金属用の歯(細かい歯)を付けて鍵盤の形に沿って切っていき、最後は板ヤスリにて手仕上げです。表面は細かいサンドペーパーで平にした後バフモーターで光らせます。
 
 





鍵盤のブッシングクロス貼替をする為に、鍵盤側を少々加工してしっかり貼付く様にしました。
 




 

お客様へ響板のデカールの貼付を提案させていただいた所、お話に乗っていただきました。
本来このピアノの生産時期には既にデカールを貼るのを止めた後で、勿論現代の物にも貼られていませんが、やはりグランドピアノの為に屋根を開けた時にこれがあると目を引きます。各国のKingやMajestyなどの名が表記されている物で当時の栄光かと思います。お客様に何種類かある中から選んでいただきまして、米国のDECALS社より入手する物で、要はただの転写マークなんですが送料を足すと100ドル位します。貼った後に上塗り塗装です。




 
オーバーサイズのチューニングピンと交換しフレームとの接触を避ける為、チューニングピン穴をほんの僅かだけ広げてから塗装します。
現在生産しているスタインウェーに使用されている物と同じ金粉が手元にあった為、今回それを使用してみました。






 
外装の剥離作業
 



剥離作業が終わった時点でお客様にお越しいただき、塗装の担当者と色と艶の打合せをしまして、飴色の様な素敵な色合いをご指定くださいました。
  ケース右側にもロゴマークを入れました。これもやはり我々が提案させていただいた物です。
 
 













元の弦を外して駒の上面を掃除した所、駒ピンの際に小さな亀裂が入っている箇所が数多くありました。すぐに問題が起きるとは思えませんが長い目で見ると不安が残る為に、お客様との相談の上追加作業として直させていただきました。
 




 
レンナー社製ハンマーです。オリジナルをサンプルとして渡して、なるべく重くならない様に製作してもらった物です。
  低音弦はアメリカメイプス社製をいつもの部品屋さんに頼んで入手しました。スタインウェー社を通過していない為に、純正とは言えませんが同じ物との事です。
 
 



弦を全て張り、ダンパー取付、整調、調律、整音と進めていきます。
 











最終的には170cmの小さなグランドとは思えない豊かな響きを放ち、さすがスタインウェーと思わせる物となりました。
 
今回、我々はお客様のピアノの入手価格を知りませんが、輸送費・修復費と全てを足しても日本国内でのSteinwayの中古相場を大きく下回っている事でしょう。誰にでもお勧めは出来ませんが、この様な入手の方法により自分だけの1台とするのも趣向があり楽しめるのではないでしょうか。 
※8月5日掲載(動画撮影日 2013年5月28日)
※下記の動画は修復後の物です。


演奏者:阿部悟  「エリーゼのために」
S様
この度は修復のご依頼、誠に有り難うございました。
今後も調律及びメンテナンス等でお世話になるかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。 
                                 泣Nラビアハウス一同

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