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作業写真
当社倉庫2Fにピアノが届きました。
鍵盤の蓋を閉めても、白鍵の手前が見える作りです。
 

冒頭に書きましたTENSION RESONATUR機能です。放射線状になっている金属のバーが外枠を引っ張っています。フレームにこの特許が明記してあります。
 
  アクション部分のハンマーレールにMASON&HAMLINのロゴがはいっています。自社製産なのでしょうか? 




鍵盤、ハンマーヘッドとねずみにかじられた部分です。
 



サイズを測った後に、弦、チューニングピンの取外しをしていきます。STEINWAYなどと同様にフレームにピンブッシュは入っていません。
 




 

アクションのウィッペン(サポート)部品ですが、STEINWAYやBECHSTEINなどの物と違い、レペテーションレバーとジャックのスプリングが別々に付いている物で、レバー側はスクリューにてアジャストが出来る様な機構となっています。
ウィッペン自体をレールから全て(88ヶ)外して接着不良、周動不良、コード及びスプリング類の破損等点検しましたが、周動不良(間接部分の動きが悪くなる)の為センターピンの入替は必要でしたが、他の不良箇所は無くお客様のご意向もあり、この部分は使用する事としました。
 



ハンマー部分は消耗が多い事とねずみにかじられている為に交換です。既製品ハンマーで同サイズが存在しない為、いつもお世話になっている部品屋さんを通してドイツレンナー社にサンプル(現物)を送り製作してもらいます。
左2つ目と3つ目の写真が、出来上がったハンマーで、足掛3ヶ月して送られてきました。
ハンマーなどの特別注文や部品の海外注文を含む修復の場合、仕上がりの期日の予定が立ちにくい為に、納品期限を十分に預ける様に今回に限らず見積り時点でお客様より了解いただいております。
  ハンマーシャンク部分ですが、浜松市のアクションメーカー潟gキワ製作所さんより入手しました。リペアパーツなど海外に輸出している為、この部品も在庫していたのかすぐ届きました。いつも細かな注文まで応じて頂き、誠にありがとうございます。
 



ハンマーに穴あけして接着です。 
 

ダンパーフェルトの張替前と後です。 
  弦の張り替えが終り、ダンパー組付、アクション、鍵盤、ペダル等の調整を進めて行きます。
  写真は鍵盤の重さを全てのキーで計り、鉛の追加などで揃えていきます。
このピアノはアクション、ウィッペン(サポート)部分のスプリング形状に現代のピアノと少々違いがありますが、通常の調整(整調)手順と寸度にて良好なタッチ感触が得られる物でした。
  全ての作業が終り大屋根の取付ですが、やはり重さがかなり有ります。
 
※下記の動画は、ピアノが仕上がってテストを兼ね、今回修復をご依頼くださったN様ご夫妻立会いの元で、阿部先生に演奏していただいたものです。


演奏者:阿部悟  「悲愴第2楽章」
修復後お届けまでに数ヶ月保管期間がありまして、依頼者N様のご好意で「どうぞ多くの方にお弾きになって下さい」との事の為、同業者、ピアノ講師、ピアノサークルの方々、一般のお客様と多数の方が来られ、この稀なピアノを弾き喜ばれました。ご提供誠にありがとうございました。
 

お届けに向けて運送業者さんが梱包しているところです。
  脚を止めている機構部分ですが、木製ではなく金属製でしっかり出来ています。
 
 

ピアノを納めた所は内装を板張に改装した素敵な蔵で、オーディオなども備えられていました。コンサートグランドでも広さ及び高さは十分にあり、気持ちの良い響きの場所でピアノ愛好なら誰もが羨ましがる空間でした。

この度は当社に修復をご用命くださいまして、誠にありがとうございました。とても希少なピアノですので、どうぞ大切にご使用ください。

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