足踏み式リードオルガン 昭和初期



H19年1月 横浜市E様
修理ご依頼ありがとうございました。

お客様より足踏み式オルガンの袋の貼替の依頼があり、以前から一度やってみたいと思っていたので引受ることにしました。袋とはリード(笛の役目をするところ)から空気を吸い込む為の箱(吹子のような所)の側面に貼ってあるラバークロスのことです。




修理明細
 その他 木工修理
 料金 安くやってしまったので書けません。
作業写真




オルガンが工房に届き袋を見たところ、さほど傷みが無いにもかかわらず、極端に空気が抜けてしまい、とても曲が弾ける状態ではありません。お客様はラバークロスが破れていると思ったようです。とにかく本体からはずしてチェックすることにしました。







なんと、大袋、小袋と白アリに喰われた形跡があり、それを以前の修理で直した(接木してある)ようです。ところがその後も白アリに喰われ続けてしまったようです。これが空気もれの原因でした。 
 





いろいろと考え、このまま直してラバークロスを貼替えるのもケースごと全部作るのも手間は一緒だと思い、全部作ることにしました。オリジナルのケースを全て採寸し、15mmの合板から丸ノコ、バンドソー、ホールソーといった電動工具で切り出していきます。
 



大袋、小袋共に大物の木工作業は終わり、やっと次は「一度やってみたい」袋貼です。
  過去にオルガンの袋を見たとき、ラバークロスが形どおりに折りたたむ(写真のように)ことが不思議に思っていましたが、今回内側に型紙が貼ってあることを知り、納得しました。
   型紙をカットしているところです。
 

ラバークロスを貼る為、縁回しに角木を這わせることにしました。このほうが接着が楽そうです。 
 

ラバークロスをカットしているところです。 
 



大袋、小袋を少しずつ貼り進めていきます。 
  オルガン本体に取付けて正常に機能するか、また何かに干渉しないかチェックします。写真ではオルガンを逆さまにしています。 
 

前後からの写真です。空気もれが無いか、線香の煙でテストしました。大丈夫なようです。