KAWAI アップライトピアノ K-48 1969年製



H22年10月
埼玉県富士見市H様
修理ご依頼ありがとうございました。

今回のお客様は他社さんにも修理の相談を持ちかけていましたが、古いとの理由で断られる又は直らないと既に言われていたもので、実際にピアノを見に伺ったのは当社だけでした。同クラスの中古ピアノが買えるくらいの費用なら直したいとのご意向を伺いましてピアノを拝見させていただきました所、内部は経過年数から見てかなり程度が良く音色も綺麗でした。また、この年代まではアクションパーツも全て木製で上質です。細かな部品交換や調整、弱音機取付、お届け後の調律を含めて実用上の修理としては14万円弱の見積となりました。ところが、内部の良好な状態とは裏腹で外装(黒艶出し)のキズと塗装面のひび割れがひどく外観も修復したいとのご意向でした。年代的に木目塗装に出来るはずとのお話をした所、是非そうしたいとの事でした。現在の塗装を全て剥がした時点でもう一度外装の件はお話しましょうと言う事にして後日当社の作業場にお越し頂き、色合いと艶のお好みをピアノを前にして決めさせて頂きました。
木材が贅沢に使用されて製造された時代のピアノに限る修理例です。




修理明細
調律 保管中2回とお届け後1回
アクション部分 ハンマー整形、ダンパレバークロス貼替
鍵盤部分 キーブロッククロス貼替フロント30本バランス50本、錆びているバランスピン入替、木口アクリル全貼替
整調 丸1日
 外装関係 指定色による艶出しポリエステル全塗装
 その他 弱音機取付(ハンドタイプ)、屋根ヒンジ交換(ヤマハ製)
運送料  立川市1F→当社¥12,600-
当社→埼玉県富士見市2Fクレーン使用¥29,400- 
 修理代  \337,050-
作業写真





ピアノが工房に届き、解体と古い塗装の剥離作業です。大方の化粧板はマコール材と分っていますが多少は別の材料が貼ってある事が常の為、なるべくそれが少ない事を祈りながら剥がしていきます。(ラワン材が所々入ってました。)後の着色の時に色合わせの手間が多くなるからです。







塗装を剥がした後にサンドペーパーにて木肌を出します。この時点でお客様にお越し頂き、本体にいく通りか着色して選んでいただきました。





全体の着色後ポリエステルクリア塗装です。

外装修理は出来上がりです。実際は写真より明るい色です。
 










内部修理の方はハンマーや弦の交換が必要ない為、年数の浅いピアノを直すのと同程度の少ない日数で可能でしたし、それで充分音もタッチも回復しました。この後ピアノを今のお住いへ届け、最後の調律をして引渡しと言う流れとなります。
この度は誠にありがとうございました。
どうぞ今後もピアノを大切にされて下さい。